オンライン購入者をディストリビューター傘下の販売店へ送客する共通ECプラットフォーム。1日の訪問者数は100未満から10,000に
地域統括会社は、ディストリビューターごとにECサイトを構築せず、オンライン販売が販売店を素通りすることもない形で、ECをアフターセールスの新たなチャネルにしたいと考えていました。当社は、地域統括会社がディストリビューターにサービスとして提供するAdobe Commerceの共通プラットフォームを運用しています。部品、メンテナンス用品、サービスパッケージをオンラインで購入した顧客は、受け取り・取り付け・整備のために販売店を訪れます。地域統括会社が管理する共通の計測基盤により、どのキャンペーンが成果を上げているかを全市場で把握できます。
最初のディストリビューターストアの1日あたり訪問者数。2023年の100未満から、2025年には約10,000に
VIN検索の基盤となる部品適合データの件数。顧客は自分の車両に適合する部品を購入できます
- 顧客
- 日系自動車メーカーの地域統括会社
- 利用者
- 地域統括会社、ディストリビューターと傘下の販売店、法人顧客と個人顧客、各市場のマーケティング代理店
- 範囲
- プラットフォーム設計・ストアの横展開・販売店への送客導線・B2B EC・マーケティング計測・VINによる部品検索・マネージドサービス
- 期間
- 2023年に最初のストア → 2024–25年にB2B・B2Cストア → 2025–26年に計測ガバナンスとVIN検索
- 体制
- コンサルタント、Adobe Commerce開発者、マーケティング分析担当、AWSデータエンジニア

全ストア共通の計測基盤。地域統括会社が所有するタグマネージャーのコンテナとアナリティクスのプロパティを1つずつ置き、市場ごとにワークスペースとデータストリームを設定
ディストリビューターごとのEC構築や販売店の素通りを避けた、アフターセールスのオンライン販売
地域統括会社はECを、部品、潤滑油、メンテナンス用品、前払い式のサービスパッケージを販売するアフターセールスの新たなチャネルであり、顧客とディストリビューターをつなぐ新たな接点と位置づけていました。しかし、ほとんどのディストリビューターはオンラインストアを持っていませんでした。市場ごとに個別に構築すれば、コスト、セキュリティ対策、保守の負担が市場の数だけ膨らむことになります。
また、オンライン販売は販売店網と競合するのではなく、販売店網を支えるものでなければなりませんでした。販売店の収益が最も大きくなるのは、顧客が整備工場に来店し、車両の整備や追加の提案ができる場面です。加えて、地域統括会社にはマーケティングを横断的に把握する仕組みがありませんでした。各ディストリビューターと代理店がそれぞれ独自のトラッキングコードを入れようとしていたため、市場間で成果を比較できない状態でした。
市場ごとの個別構築では拡大できない
ディストリビューターごとに、カタログ、価格、決済、配送、言語を個別に設定する必要がありました。一方で地域統括会社は、セキュリティ対策と保守を1つのプラットフォームに集約したいと考えていました。
オンラインから販売店への送客
サービスパッケージや取り付けが必要な部品は、顧客が販売店に来店して初めて価値を生みます。そのため、注文を適切な販売店へ振り分ける仕組みが必要でした。
マーケティングの成果が見えない
ディストリビューターや代理店がそれぞれ別のタグを設置していたため、重複計測やイベント名の不一致が起き、地域統括会社はどのキャンペーンが成果を上げているかを把握できませんでした。
販売店への来店を軸にした全ディストリビューター共通のプラットフォームと、全市場共通の計測
当社は単一のAdobe Commerceインスタンスを運用し、その中にディストリビューターごとのWebサイトとストアを設けています。カタログ、価格、決済、配送、言語は、ディストリビューターごとに設定できます。新たなディストリビューターのストアは、範囲をあらかじめ定めた標準テンプレートから立ち上げます。B2B注文やVIN検索などの機能は一度構築すれば、次のディストリビューターにも提供できます。
注文の受け渡しは、いずれもディストリビューターに役立つ形にしています。顧客は、自宅への配送、最寄りの販売店での受け取り、販売店での取り付けから選べます。オイル交換などのメンテナンスパックやサービスバウチャーは商品として販売し、顧客が選んだ販売店で利用されます。販売店にとっては、来店と追加提案の機会になります。VIN検索はグローバル本社の部品カタログをもとにしており、顧客は自分の車両に適合する部品を確実に選べます。
これらの計測では、タグマネージャーがデータの振り分け役を担います。ストアは標準化した一連のイベントを送信し、地域統括会社のコンテナがそれをアナリティクス、Meta Pixel、ショッピング広告用のGoogle Merchant Centerフィードへ渡します。アナリティクスを所有し、タグの変更を公開するのは地域統括会社です。各ディストリビューターと代理店は、編集権限と共通のキャンペーン命名ルールのもとで、それぞれソーシャル広告と検索広告を運用します。月次レポートでは、セッションからカート投入、購入までの同じファネルを全市場で追跡しています。
最初のストア
- 2023年3月、潤滑油とメンテナンス用品の販売で開設
- 2023年9月、全国配送とメンテナンスパックを追加し、「販売店検索」の掲載販売店を拡大
- 配送業者・通信事業者との連携を改修。2024年11月、取扱商品を拡充してリブランド・リニューアル
B2B・B2Cストア
- 2社目のディストリビューターのストアを同じテンプレートで構築し、電話や紙で発注していた法人顧客向けの機能を追加
- 法人アカウント、段階価格、再注文、在庫の自動更新
- 2024年12月にソフトローンチ、2025年4月にB2Bを本格稼働、2025年6月に個人向け販売を開始
マーケティングと計測
- ショッピング広告とP-MAX向けのMerchant Center商品フィード
- ディストリビューターの代理店と連携し、Meta Pixelとキャンペーンを設定
- 計測ガバナンス:1つのコンテナとアナリティクスプロパティ、市場ごとのワークスペース、アクセスルール、キャンペーン命名ルール
- 全ストア共通のファネルとKPIによる月次分析レポート
適合部品の検索
- グローバル本社の部品カタログを地域統括会社のクラウドアカウントに複製
- 2026年1月にVIN検索を本番稼働。データは2週間ごとに更新
- プラットフォーム上の他のストアにも展開可能
販売店への送客を生み、ストアが増えるほど価値が高まる地域チャネル
ディストリビューターに必要だったのは、新たなECサイトではなく、整備工場に来る顧客を増やすことでした。そして地域統括会社には、どのキャンペーンが来店につながっているかを把握する手段が必要でした。私たちは、この2点を軸にプラットフォームを構築しました。
整備工場への直接の導線と、ディストリビューターの追加
次の段階も、同じプラットフォームと計測基盤を土台に進めます。キャンペーンデータの精度向上、オンライン購入から整備工場の予約までを直接つなぐ導線の構築、ディストリビューターの追加です。
サーバーサイドのコンバージョン計測
購入データをブラウザーだけでなくサーバーからもMetaへ送信し、欠損のないデータでキャンペーンを最適化します。
整備予約
サービスパッケージの購入時に、販売店だけでなく日時も選べるようにします。
ディストリビューターの追加
同じインスタンスに新たなストアを設けてディストリビューターを追加し、B2B機能、VIN検索、計測基盤を再利用します。
関連する事例
次の事例 →

