新規事業探索を1つのアプリで管理。すべての判断を記録し、AIは下書きを担い、判断は人が行う
事業部の新規事業チームは、候補リスト、調査内容、面談メモを個人のスプレッドシートやメールで管理しており、判断の理由が残っていませんでした。私たちは探索の進め方を整理し、ロングリストからリーンキャンバス、現場メモまでを1つのアプリで扱えるよう設計して、Craft Sprintで実証しました。AIは下書きと提案を行いますが、人が承認するまで何も変更されません。現在は試行中で、本番構築への移行を進めています。
人の承認なしにAIが反映した変更の件数
最初の仕様策定から、事業部経営層へのライブデモまで
- 顧客
- 国内メーカーの産業製品事業部
- 利用者
- 新規事業探索チーム
- 範囲
- Craft Sprintによる試作・試行版の構築・本番構築
- 期間
- 2026年7月にスプリント → 2026年9月に試行 → 本番構築
- 体制
- コンサルタント、フルスタックエンジニア

探索のサイクル全体を支える画面数(ロングリスト・投票からポートフォリオ・意思決定ログまで)
根拠のレベル数(事実・相手の意見・仮説・伝聞)。仮説を検証済みにできるのは事実だけ
AI機能の数(テーマの下書き・消耗品性のスコアリング・Go/Pivot/Kill判定・次のアクションの助言・収益仮説・現場メモからの差分)
名称と1行のメモから、AIが新しいテーマの下書きを作成するまでの時間
良いアイデアは見つかっても、根拠と判断の理由が失われていた
この事業部は、決まったサイクルで新規事業を探索しています。テーマのロングリストを作成して合意のうえでショートリストに絞り込み、各テーマをリーンキャンバスで検証したうえで、大学や見込み顧客、パートナーを訪ねて面談します。これらの各ステップは、別々のファイルで管理されていました。
訪問で得た知見が、仮説に体系的に反映されることはほとんどありませんでした。半年後には、あるテーマがなぜ見送られたのかを誰も説明できない状態でした。
情報の分散
候補リスト、調査メモ、議事録が個人のスプレッドシートやメールに散在し、全体像を把握している人がいませんでした。
不都合な根拠の埋没
テーマへの期待が大きいほど、顧客の否定的な意見や競合の動きを見落としやすくなっていました。
立ち上がりの遅さ
新しい候補ごとの事前調査に数日かかり、ロングリストがなかなか広がりませんでした。
探索の進め方を整理し、スプリントで実証。実際の利用者とともに磨き上げる
すべての設計判断の土台にしたのは、「AIはデータを上書きしない」という原則です。AIが作るものはすべて下書きか差分の提案で、人が1件ずつ承認・修正・却下します。一括承認のボタンはありません。事実ではない根拠で、仮説を検証済みに格上げすることもできません。この制約は、項目を判断する時点と反映する時点の両方で、サーバー側で検証します。
Craft Sprint
- リーンキャンバスのツールを、AIによる判定機能を備えたローカルアプリに刷新
- ロングリスト、現場メモ、AIによる差分提案を追加
- 実際の面談メモで検証し、経営層にライブデモを実施
試行版の構築
- 国内でホストするデータベース型アプリ。サインイン機能と、管理者によるアカウント発行
- 投票、ショートリスト、ポートフォリオ、シグナル、意思決定ログ
- 顧客の情報セキュリティ審査に向けた、システム構成とセキュリティの概要資料
試行
- いつでもリセットできるサンプルデータで、利用者が自由に操作
- 利用者ごとの利用状況を計測し、次の段階の方針に活用
- 画面や機能へのフィードバックをそのままバックログに反映
本番構築
- Cloudflare Workersへの移行
- 実際のテーマと議事録を登録し、リセット機能は停止
- IP制限や多要素認証(MFA)など、要件に応じたセキュリティ強化
探索のサイクルを1か所に集約し、すべての判断を記録
AIは数秒で下書きや提案を作れます。チームに必要だったのは、判断を人の手に残しながら、目を背けたくなる根拠もきちんと示してくれるツールでした。
試行から本番の基盤へ
試行後は、Cloudflare Workers上での本番構築に移行し、チームは実際のテーマと議事録の登録を始めます。「AIが下書きと提案を行い、人が承認し、すべての判断を記録する」というルールは、そのまま引き継ぎます。
実データでの運用
サンドボックスのリセットを停止し、アカウントを段階的に発行して、実際のテーマと現場メモの蓄積を始めます。
本番基盤
実行環境をCloudflare Workers上に再構築し、IP制限やMFAなど、顧客の要件に合わせたセキュリティ対策を講じます。
Go判定から事業化へ
Goと判定したテーマを、予算を伴うプロジェクトへ移行させる事業部のプロセスにつなげます。
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